修学旅行の話。

二年前に流行ったアップテンポの音楽がかかる。

試験勉強の傍ら、10秒で途切れると思っていた音楽は耳慣れたフレーズが過ぎた後も鳴り続けた。
うるさいなあ、と思った後に、やっと電話の着信だという事に気付く。

「なっちゃんみたー？！修学旅行の案内。沖縄だって。ちょー楽しみなんだけど。」

「…いや、情報遅くない？火曜から貼り出されてたよ、それ」

「うっせーな俺はナオヤにカンキンされてたんですー。」

「あー、テスト勉強」

「マジあいつうっとーしい！」

「俺も今まさに勉強中なんだけど。」

「それは置いといてさー、それより沖縄だよ沖縄。海いこーぜ飯くおーぜ」

「俺結構いろんな友達と約束しちゃったんだよねー…」

「おまえ俺は友達じゃねーと？」

「そうじゃないけど。修学旅行行くと思わなかったんだよ。」

「ヒデー！」

「だって殆ど学校来てねーじゃんおまえ…」

「沖縄だし！いかなきゃっしょ！当然！」

「まあ土産買うくらいならつきあってやるよ」

「つれねえよなっちゃーん」

「つか、おまえがなっちゃんとかいうとキモイ」

「えー、だってなっちゃんって呼ばれてるってゆっきーがゆってたし」

「そりゃあそうなんだけどさあ」

「でも名前ナチだもんなあ、そりゃなっちゃんだよなー。なんで今まで呼んでなかったんだろなっちゃーん」

「そもそもナチとすら呼ばれてなかったからじゃね」

「ま、そなんだけど。なー沖縄ー沖縄ー」

「うっせーなー、沖縄そば奢ってやるから黙れ」

「やりー！流石ゆいちゃんリッチメン！」

「コウはほんと現金だよな…とりあえずいい加減勉強させてよ」

「修旅たのしみにしてるー！」

「うっせーわかったよ」

「ところで来月水着コンテストあるって聞いたんだけどかわいーこいっかな？」

「もう切るよ」

「ゆいちゃん今度彼女紹介しｔ

（プツッ　　プー、プー、）